奨学金を滞納した場合の給与差し押さえまでの流れ

貸与型の奨学金の場合、返済義務は学生本人にあります。
親御さんが負担している家もあるようですが、奨学金は自分で返すものだと自覚しましょう。

しかし、最近の就職難で大学を卒業しても、就職が出来なかったり、
安い給料の会社しか見つからず、奨学金の返済を滞納している人も多いようです。
このような場合、事情は理解できますが、奨学金も借金ですので、
返済を滞納した場合、銀行や消費者金融の一般の融資と同じように、取り立てが行われます。

奨学金は滞納しても大丈夫だと勘違いしている人もいるようですが、滞納した場合の対応は、
銀行や消費者金融のカードローンと同じです。
悪質と判断された滞納者は、最終的に強制執行で給料が差し押さえられてしまいます。

-日本学生支援機構の奨学金を延滞した場合の流れ-

まず、職員や保証機関から電話がかかってきます。次に、自宅に催促状が届き、続いて支払督促申立が行われ。
それでも返済がない場合は、最終的に強制執行となります。
電話や文書による催促や取り立ての段階で返済を再開できれば、特に問題はありません。
しかし、3ヶ月以上の滞納があると、次の段階に移ります。

-取立ての電話や文書-
日本学生支援機構は、保証機構(保証会社)を使っており、支払いが遅れた場合、日本学生支援機構からではなく、
間に入っている、保証機構から督促などの連絡が来る場合があります。

法律で定められた、借金取立てのルールがありますので、取り立ての電話は、9時~21時の間にかかってきます。
これは消費者金融で借り入れをした場合も同じで、夜中に取り立ての電話がかかってくることはありません。

取立ての電話は、携帯電話や自宅の固定電話、勤務先にもかかってくる可能性がありますが、
携帯や自宅の電話できちんと対応していれば、基本的に勤務先へ取り立ての電話はかかってこないはずです。

最初の段階では、電話や文書での催促はありますが、よっぽどのことがない限り、
取立てのために自宅や勤務先へ訪問することはありません。
(カードローンの取立ても同様で、基本的に勤務先へ来ることはまずありません)

-支払督促申立-

「支払督促申立」は、民事訴訟に基づく法的措置になります。
電話や文書の取立てに応じず、長期間にわたって滞納が続いた場合、この法的措置が取られます。

手順としては、支払督促予告によって、借入金+利息金額の一括返還請求が通知されます。
これは、それまでの返還未納金額と合わせて、利息、延滞金、返還期限が来ていない借入金の総てを、
一括で支払うことを求められます。

この予告に応じて返済が行われないと、裁判所に支払督促申立が行われます。
それでも返済が行われない場合は、今度は裁判所に仮執行宣言付支払督促の申し立てが行われます。

一括返還となると、親などに立て替えてもらわない限り、支払いは困難でしょう。
しかし、奨学金を利用している段階で、親の方にも一括返還に応じられる、経済的な体力があるとは思えないので、
ここまで来たら、強制執行になる可能性が高くなります。

-強制執行-

支払督促申立に応じない場合、最終段階として「強制執行」の手続きが行われます。

強制執行とは、返済義務者の勤務先へ裁判所からの通知が行き、給与差押えなどで、強制的に返還金が徴収されます。

法律上、給与の差し押さえは「給料の4分の1まで」と決められているので、月収30万円で、
保険料や税金を差し引いた手取りが24万円だとすると、その24万円の4分の1である、6万円が差し押さえられます。
手取りが20万円であれば、37,500円が差し押さえられることになります。
強制執行では、「全額が差し押さえられて、生活できない」という事態には陥りませんが、
月収の少ない人ほど、滞納が続いていると思いますので、手取りの4分の1と言えど、かなり厳しい状況になると思います。

-毎月の支払いが厳しい時は-

自分の経済状況を全く理解していない人はいないはずです。
事情があって、どうしても支払いが厳しいという場合は、まずは借入先に相談することが重要です。

日本学生支援機構の奨学金の場合は、返済が厳しくなった時に、返還期限の延長や、減額に応じてくれる可能性があります。

返還期限の猶予(延長)は、留年などで現在も在学中、災害、傷病、経済困難、失業などの理由で返済が難しい時に、
申請が承認されると、適用期間中は返済が免除され、返還期限を延ばすことができます。

減額返還制度では、返済が難しい場合に毎月の返済額を減らすことができます。
毎月の返済額を半分に減らすと、その減額期間は最長で10年延長されます。

どちらの方法も、借入れた奨学金自体が、なくなったり減額してもらえるわけではありません。
あくまでも、返還期限を延長したり、月々の返済額を減らすためのものです。

強制執行を受けると、その後の人生で不便が生じますので、そうなる前に借入先に相談することを、強くお勧めします。

-債務整理(自己破産)-

強制執行が行われても、どうしても返済が難しい場合や、給与の差し押さえに応じられない場合は、
債務整理を検討する必要があります。

債務整理の方法は、任意整理、特定調停、個人再生、自己破産の4つがあります。
この中の自己破産を申し立て、免責が認められると奨学金を返還する必要はなくなります。
その他の方法は、月々の返済額を減らして、少しずつ支払っていくものです。

奨学金は自己破産しても免責されないと考えている人が多いですが、奨学金も借金ですから、免責が認められる可能性はあります。
ただし、奨学金の利用では、親を連帯保証人にしている事が一般的です。
そうなると、利用者本人の免責が認められても、連帯保証人である親には支払い義務があるため、
支払い請求は親に行くことになります。

債務者と同等の支払い義務を負うのが連帯保証人です。
自己破産したとしても、借金がなくなるわけではなく、請求先が親(連帯保証人)へ移るだけです。
親にも返済能力がなければ、自己破産することはできますが、多大な迷惑をかけることに変わりはありません。

奨学金と教育ローンの種類

今の時代は大学全入時代と言われ、誰でも大学へ行けるようになりましたが、
大学へ進学するためには、お金がかかります。
昨今では貧富の差が開く一方ですので、高校や大学に進学したい(させたい)と思っても、
家計が厳しくて、進学が厳しいという家庭は少なくありません。
そういう場合は、進学のために借金をすることになります。

教育費に関しては、他の融資とは仕組みが異なる「奨学金」と「教育ローン」があります。
どちらも借金には違いありませんが、他の融資よりも金利や返済条件は利用者に有利にできています。
まずは、特に借り入れの条件がより良い奨学金から検討してみましょう。

-お勧めの奨学金-

お勧めは「国の奨学給付金制度」と「企業や給付型奨学金」「日本学生支援機構の奨学金」です。

奨学金を利用している大学生は、全体の3分の1程度と言われていますが、
その多くが、日本学生支援機構の、学生自身に返済義務のある奨学金を利用しています。
日本学生支援機構の奨学金は、第一種と二種があり、双方とも成績と親の収入に対する制限があります。
第一種は無利子で借りられますが、成績に関する制限は厳しくなっています。

給付型の奨学金は、お金を貰える奨学金ですから、返済の必要はありません。
ただし、国の奨学給付金制度では、親の年収が250万円未満、使用目的は教育費のみという制限がつき、
企業が行っているものは、進学する学校が指定されている場合があります。

大学が行っている奨学金制度を受けられるかもしれませんが、この選考基準は、成績が優秀な学生に限られます。

家が貧しいのであれば、返済義務のある奨学金よりも、給付型の奨学金を受けられるように、頑張って勉強しましょう。

制度の制限にかかって、奨学金が難しそうな場合、奨学金だけでは、お金が足りない場合は、教育ローンを利用することになります。

-教育ローンの種類-

教育ローンには、国の教育ローンと、民間の教育ローンがあります。

最初に検討してほしいのは、国の教育ローンである「日本政策金融公庫の教育一般貸付」です。
この教育ローンは、親の年収に対する制限がありますが、固定金利で金利自体も低く設定されていて、
返済方法も利用者の状況に合わせて、在学期間中は元本据え置き、金利のみの返済ができる等、融通が利きます。
その他にも、利用者に有利な条件がありますので、教育ローンの第一候補となります。

国の教育ローンの制限よりも年収が高いなど、国のローンの利用が難しい場合は、民間の教育ローンを検討します。

奨学金や、国の教育ローンと比べると、金利は高くなりますが、一般的な銀行ローンよりは、金利は低くなっています。

例としては、各社銀行ローン・JA(農協)・労金(労働金庫)・ゆうちょ銀行などのローンになります。

金利や、利用条件等は、各社それぞれで違ってきますので、銀行の窓口などで問い合わせ、
自分に合った条件のローンを探しましょう。

-奨学金の返済に困っている学生が多い-

奨学金や教育ローンでは、返済に困って延滞する人が増えています。
原因はいくつかあるようですが、教育ローンの場合、借金をしている自覚がありますが、
奨学金の方は、借りているという自覚がない人多いのかもしれません。

国であれ民間であれ、教育ローンの債務者は親になるので、概ね返済できるようです。
しかし、奨学金の債務者は、学生自身になり、返済も卒業後に少しずつ返していくことになるのですが、
学生自身に自覚がなく、借金して大学に通っているにも関わらず、遊び呆けて留年したり、
退学する学生も多いようです。
ここ何年かは、ブラックバイトに捕まって、大学に通えなくなるケースも増えているようですが、
それでは、何のために大学へ行ったのかわかりません。

また、誰もが大学に通える時代なので、高校の延長のような気持ちで進学する学生さんが多いのかもしれません。
教育ローンや奨学金は借金なのだという事、奨学金の返済義務は、学生本人にあるという事を、
進学前に親子で話し合う事が大切です。

大学に行っただけで就職できる時代は、とっくに終わりを告げました。
今の時代、自分の行動に責任を持つことが出来ない学生は、就職活動でも生き残りが厳しい時代です。
ロクに勉強もせず、借金だけが残ったなどという、本末転倒な結果にならない様に、
学生さんはその自覚をもって、勉学に励んでほしいものです。

教育ローンの選び方と固定金利・変動金利の違い

大学などの進学を考えたとき、進学資金が足りない場合は、奨学金を利用する家庭が増えています。
ですが、奨学金の審査に通らなかった場合や、奨学金だけでは、高額な進学資金を賄いきれない場合は、
不足分を教育ローンで賄うことになります。

教育ローン利用の第一候補は「日本政策金融公庫の教育一般貸付」になります。
これは一般的に国の教育ローンと呼ばれるものです。

国の教育ローンは、金利が低く、利用限度額も子供1人当たり350万円と、高額の借り入れができます。
日本学生支援機構の奨学金と国の教育ローンは併用可能ですので、この両方を利用すれば、
ほとんどの家庭で、学費を賄うことができるはずです。
国の教育ローンを利用できない場合は、銀行やJA(農協)など民間の教育ローンを検討しましょう。

-銀行・JA・労金の教育ローン-

民間の教育ローンの例を挙げてみます。(平成26年4月現在、キャンペーン金利は除外)

三菱東京UFJ銀行・・・変動金利 3.975% 借り入れ限度額は500万円で返済期間は10年。
三井住友銀行・・・・・・変動金利 3.475% 借り入れ限度額は300万円で返済期間は10年。
みずほ銀行・・・・・・・変動金利 3.475% 借り入れ限度額は300万円で返済期間は10年。
中央労金・・・・・・・・固定金利 2.700% 借り入れ限度額は1,000万円で返済期間は15年。
JAバンク・・・・・・・固定及び変動金利%は各JAによる。借入限度額は700万円 返済期間は15年。

JAバンクの教育ローンは、JA教育カードローンと新教育ローンの二種類があり、
新教育ローンの方が借入限度額が多くなっています。
また、各JAごとに金利が異なりますので、JAの教育ローンを利用する場合は、
最寄りのJAで一度ご相談ください。

国の教育ローンの詳細は
日本政策金融公庫・・・・固定金利 2.350% 借り入れ限度額は350万円 返済期間は15年。
となっており、民間と比べると、かなり有利な条件となっています。

-固定金利と変動金利どちらがお得?-

教育ローンは、自分が利用できて、尚且つ、金利が低い金融機関を選びたいですね。

ローン金利は、ただ高低の差があるだけでなく、「固定金利」と「変動金利」の二種類があります。
固定金利とは、返済期間中の金利が固定されたもののことで、「変動金利」とは、6ヶ月毎など、
決められた期間で、金利が見直されるもののことです。

基本的に固定金利よりも、変動金利の設定の方が金利は低くなっています、しかし長い返済期間中には、
固定金利よりも金利が高くなる場合もあります。

変動金利の場合、景気がよくなって金利が引き上げられれば、上限なく上がってしまう可能性があるため、
不景気の低金利の時代は、変動金利よりも固定金利の方が有利だと言われています。

住宅ローンは返済期間が30年を超える場合がありますが、教育ローンの返済期間は最長でも15年ですので、
変動金利であっても、それほど不利はなりませんが、景気が急回復した場合、
金利が急激に上昇するリスクがあると覚悟しておく必要があります。

2004~2014年の長期金利の推移をみると
2004年は1.5%強だったものが、多少の上下を繰り返しながらも、右肩下がりで下がってきている状態です。
10年前に変動金利で借り入れをした人は、得をしたかもしれません。
しかし、2014年以降はアベノミクスの影響で、景気は回復傾向にあると言われていますので、
金利も上がりやすいと考えられますから、金利は固定金利を選ぶ方が良いかもしれません。

逆に、金利が上がりきってしまった高金利時代が到来すれば、金利が下がる可能性大です。
その場合は変動金利の方が有利になる可能性が高いと言えます。